この記事の内容
- 「想定の法則」とは
- 「想定の法則」の原理
- 「想定の法則」を成功させる秘訣
- 「想定の法則」をうまく活用できない(失敗する)理由
こんにちは。Dr. NAOKI(@urarikei_career)です。
以前、「現実をよりよくするための方法」の参考として、想定の法則で有名なネヴィル・ゴダード(Neville Goddard)氏の本をいくつか紹介しました。
今回の記事では、「想定の法則」について特に基礎的な内容が書いてある「その思いはすでに実現している」(2016年07月19日出版)という本について紹介します。
今回、ネヴィル・ゴダードの本を紹介しようと思った理由は、以下の通り。
- 本記事を執筆している2023年時点では、どの本も入手困難となっている。
- ネヴィル・ゴダードは、想定の法則を広げるために各地で無料で講演を行い、録音も許した。
- この記事を読んでいただいたあなたの人生が、よりよいものになって欲しい。
それでは、本の内容を紹介します。
「想定の法則」とは
ネヴィル・ゴダードは、「想定の法則」を次のように説明しています。
自分が願っている未来を「想定」(目に見える現実世界のごとく鮮明に想像)し、想像力を使って、時空を超えた未来に旅行して帰る。それを繰り返すことにより、想定された未来に直進する運動力が出てきて、自然にその未来に引き寄せられるというのが想定の法則です。この創造の力による未来旅行の繰り返し以外、することは何もありません。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P1
このように、「想定の法則」はとてもシンプルに説明されています。
しかし、これを実践するとなると、なかなか困難です。
その理由は、未来を「目に見える現実の世界のごとく鮮明に想像」することを「繰り返す」ことが必要だからです。
つまり、願っている未来を信念として感じなければ、現実化することができません。
想像力を働かせている思考の裏側で「無理なんじゃないか」とか「どうせなりっこない」と感じていたら、それが引き寄せられてしまいます。
あなたの潜在意識は、そのような願いが叶わない未来を繰り返し何度も行き来しているということです。
そもそも「想定の法則」って本当にあるんでしょうか・・・?
そういう疑問を感じていながら実践すると、願っている(と思っている)未来が現実になることは難しいです。
なぜなら、そのように感じている信念(「想定の法則」が働かないであろうという思い)が現実化するからです。
例えば、宝くじを買ったとします。
見事に当選し、豪邸、高級車、ブランド物、海外旅行、自由な時間・・・という未来を鮮明に映像化し、願います。
しかし、「それは限られた人にしか実現できない」とか、「自分が当選するはずはない」という信念があると、それが現実になります。
そして、当選結果を見て「やっぱり当たらなかった」と感じることでしょう。
この「やっぱり〇〇」というのが、あなたが信じていた未来です。
私の経験上、「信念として感じているもの」が現実化します。
「想定の法則」の原理
「想定の法則」の原理を理解するためには、哲学的な考察が必要になってきます。
ですが、「想定の法則」を信じて実践できる方は、原理を理解する必要性は、全くありません。
というのも、「想定の法則を利用して思い描く未来を現実化させること」、すなわち「想定の法則を実践すること」が願望実現の本質だからです。
「車を運転するために、エンジンの仕組みを理解する必要が無い」のと同じです。
ただし、原理を理解することのメリットはあります。
想定の法則の原理を理解するメリット
- 想定の法則の確からしさを自分なりに納得した上で、実践することができる。
- 想定の法則を実践する中で、なぜ今の現実が創られたのかを考察することができる。
- 人に伝えることができる(コーチング)。
逆にデメリットは特に無いと思いますが、「方法論にばかり興味が出て、肝心の実践がおろそかになる」ということは無いようにしましょう。
車で旅行に行くのに、「車がどういうメカニズムで走るのか?」という知識を詰め込むのに夢中になって、旅行することを忘れるようなものですね。
ちゃんと目的地に向かって運転しましょう。
目的地を「想像」することが、人生という旅路のガソリンになります。
それでは、原理について書かれている部分を紹介します。
原理に興味のない方や「実践あるのみ!」と思っている方は、次の章へ飛ばしていただいても構いません。
「私は在る」という意識の中心にある感覚
「私は在る」は不滅の自覚であり、意識の中心にある感覚です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P31
ただ一つの意識が、多くのものや意識レベルに形を変えて、顕在しているのです。そのすべてが存在の全体を成しています。
意識にはいかなる分離も隙間も存在しません。自分という存在(I AM)は分割できません。金持ち、貧乏人、乞食、泥棒、どう自分を定義しようとも、存在の中心は不変です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P31
自分以外に人生を左右する原因があると考えるのが人間です。しかし、人に降りかかること、人の行うこと、人に由来するものは、すべて意識の状態の結果です。意識とは、自分が思い、望み、愛しているすべて、真実だと信じ、納得しているすべてです。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P47
意識が唯一の実在であるならば、それが唯一の創造主です。意識が運命の創造主です。あなたは気づかないうちに、一瞬一瞬、運命を作り出しているというのが事実です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P243
物心がついてから学習すること・経験することが「私のすべて」であると思いがちですが、「ヒトとして物理的に誕生してくる」というイベントの以前から意識は存在します。
「私は在る」と思っているあなたは、生命として誕生して物心がつく頃から「在る」と思っていますが、それは人体の(脳科学的な)話であって、意識レベルではそうではありません。
(「意識」も脳科学として扱うかは、いったん置いておきます。)
潜在意識の根源(Source)があり、授乳によって栄養を得ること、人間が空を飛べないこと・・・等を信念として携えて生まれてきます。
つまり、生まれてくる前から分かっている(想定している)ということであり、「私は在った」のですが、「在った」ことそのものを忘れていては、「在った」という事実を受け入れることは難しいです。
なぜなら、「在った」ことを忘れるということが想定された上で人生を送ることを願い、現実化しているからです。
この辺の話になってくると「魂」というスピリチュアル領域の話は避けて通れませんが、それについてはまた別の記事にします。
たかだか数十年の人生経験と顕在意識に支配されながら物質主義的社会で生活する中で、この原理を本質的に理解し、根源となる潜在意識(信念)を書き換えるということは、極めて困難です。
しかし、物質社会の中で生き、この記事を目にしている「今」、現実世界の「未来」を想定することは容易にできます。
人生を決定づける「自分に対する考え」
自分に対する考え方が目に見える人生を決定します。人生のどんなこともあなたがそれに向ける態度一つで決まります。「私は強い」、「私は安定している」、「私は愛されている」などの自分に対する考えが、あなたの生きる世界を決定するのです。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P33
健康、富、美、天才も、生み出されるものではなく、心―自分に対する考え―がいろいろにアレンジされ、表現されているにすぎません。「自分に対する考え」とは、あなたが真実であると受け止めているすべてです。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P3
願望実現の道具としての「想像力」
より大きな人生の感覚を先取りし、自分に対する考えを一新できれば、あなたは自然界にないもの、すなわち「想像力」を手にしているのです。
自分の世界を創り上げる道具がこの想像力です。
想像力は宇宙で唯一の救いの力です。とはいえ、今の自分(自由、健康、安定に飢えている自分)のままでいるか、望む自分を作り出し、飢えを満たし、自らを救う道具にするかは、あなたの自由に任されています。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P52
「想像力に救済する力がある」ことを理解すれば、あなたはどんな問題も解決する鍵を握り、想像力を動かして、どんな人生も形作ることができるようになります。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P66
「想定の法則」の実践と成功の秘訣
原理を理解できても理解できなくても、大切なのは実践することです。
実践において、コツや成功の秘訣を知りたいと思われる方も多いと思います。
ネヴィル・ゴダードは、この想定の法則を使った「成功の秘訣」を次のように説明しています。
想いを定める(想定する)には、自分の望む境遇やなりたい人間像などの心の画像(理想)を形作り、その状態になった気持ちに注意を寄せます。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P5
想像力を支配し、願望が実現しているときの気持ちにじっくり注意を寄せ、心がそれ一色になり、ほかの思いを締め出してしまうまで、何度も繰り返す。これが最大の秘訣です。
「注意を寄せる」ということ、そして、「何に注意を寄せているのかを俯瞰的に自己分析すること」がこの法則の最大のポイントであると、個人的には考えています。
また、時間軸に注意が必要です。
今、目の前にある現実が理想の現実と違っていたとしても、「今、理想の現実が実現している」という気持ちに満たされることがポイントになります。
自分の願いが実現しているという気持ちで行動しましょう。今とは違う自分になりたいという願いがあたなの理想像を作り出します。それ一色になるほど、この気持ちを持ち続けるならば、あなたは必ず理想を遂げます。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P48
理想像を願う気持ちを「持ち続ける」ことが条件ですが、ネヴィル・ゴダードはこのように補足しています。
想定の効果を高めるには、単発的行為であってはならず、望みが実現している態度を貫く必要があるのです。「ものにしている」という態度を貫くことにより、あなたは願望について考えるのではなく、願望が実現したところから考えるようになります。願望が実現しているという想定の繰り返しがそれを助けます。
それを自然な流れにするのは、時間の長さではなく想定する頻度です。あなたが頻繁に戻るものが本当の自分をつくりあげます。望みが実現しているという気持ちに頻繁に満たされることが成功の秘訣です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P194
大切なのは、「頻度」です。
その理由をこのように補足しています。
時間と空間に含まれるすべてが、無限の、永遠の今に、実は存在しています。いいかえれば、あなたの過去と未来、実に人間の過去と未来のすべてが、今存在しているのです。
これが「創造」の意味です。「創造は終わっている」とは、新たに創造されるものは何もない。「すでに在るもの」が現れるにすぎないという意味です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P105
そう、実は「すでに在る」という事実を知らなければなりません。
ヒトの四次元的な時空間の感覚では、理解することは困難です。
なぜなら、根源となる潜在意識においては、「時間の経過による魂の成長を経験させる」ことが人生の目的になっているからです。
そして、この「時間」という概念が、想定の法則がうまく活用できない原因になっていたりもします。
「想定の法則」が失敗する理由
想定を実現するのに要する時間と、実現すべき願望は、「なりたい自分になっている、望むものを得ているという自然な気持ち」に比例します。こうでありたいと望んでも、それを自然に感じられないことが、「失敗する秘密」です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P230
なりたい自分になり、望んでいるものを持っている、と執拗に想像し続けることにより、自然な気持ちが出てきます。人は現状を乗り越えようとする願望と想像によってしか進歩しません。
あなたは「想像によってすべてが可能になる」ことを言葉通りに実感する必要があるのです。気まぐれによってではなく、意識の変化によって、ものごとが変化することを心底認めなければなりません。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P231
悪に抵抗することと悪を捨てることとの間には大きな違いがあります。悪に抵抗すれば、悪に注意を寄せてそれを現実化しますが、悪を捨てれば、あなたは自分の求めるものに注意を向けることができます。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P89
例えば、「お金持ちになりたい」と願っている方は、”悪” を ”貧乏” に置き換えましょう。
貧乏に抵抗していないでしょうか?
言い換えると、貧乏に注意を寄せていませんでしょうか?
お金がない、あの人と関わりたくない、気が乗らない・・・そのような「満たされない」ことに注意を寄せると、その現実が再生産され続けることになります。
注意を寄せるべきは貧乏な現実ではなく、貧乏という概念を一切捨て、お金が “ある” という気持ちに満たされることが大切です。
食べることができる、お風呂に入れる、寝る家がある、仕事がある、生きている・・・既にあるものに注意を払い、感謝することが、あなたの願望実現のための「想像力」というガソリンが、レギュラーからハイオクに変わります。
ただし、ここで注意点があります。
「お金」という物に注意を払うのではなく、気持ちや意識状態に注意を払わなくてはいけません。
想定の法則を試みる際の最も大きな落とし穴の一つが、新しい家や大金などの「物」に注意を集中することです。義は「物」ではありません。なりたい自分にもうなっている、望むものを持っているという気持ち、意識です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P173
ここで言う「義」とは、「なりたい自分になっている意識」のことを指します。
信仰の本質
ネヴィル・ゴダードは「信仰」について、次のように語っています。
あなたが経験することは、あなたの意識状態の忠実な再現ですから、不信仰とは、想定の法則をいつまでも使わずにいることを意味します。
一般に考えられているのとは逆に、信仰の効力は外部からの仲介によるものではありません。それは、徹頭徹尾、あなた自身の意識の活動です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P89
そう、人生の主体はすべてあなた本人であって、あなた次第なのです。
ただし、この三次元空間に物理的に存在している以上、宇宙の物理法則の影響は受けます。
「想定の法則」という潜在意識の作用も、宇宙の物理法則です。
宇宙の物理法則とは、自分の外での出来事のようですが、同時に内的な出来事でもあります。
「自己」と「非自己」は区別されているようで、実は一体なのですが、それを区別可能にしている(と認識している)のが、「私は在る」という意識です。
どんなことも自動的に起きます。あなたに振りかかること、あなたのするどんなことも、実は「起きる」のです。意識的、無意識的な想定が、想定する目標に向けてすべての思いと行動を動かすのです。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P179
願望は「得た」という自覚に始まり、その気持ちを貫くことで実現するということです。
「祈り」は望みがすでにかなっていることへの感謝です。望みがすでにかなっていると想定し続けなければ、心を変えて人生に望む変化を起こすことはできません。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P192
最後に
この記事は、「書評」としてネヴィル・ゴダードの「その思いはすでに実現している」の中からいくつかの文章を引用しましたが、執筆者自身の見解も多く入っており、本来ネヴィル・ゴダードが説いた内容・意図に対して、的を得ていない可能性があります。
私も人生で大きな悩みを抱え、解決困難な壁にぶつかった時に「想定の法則」に出逢いました。
それが想定されていたことは、「想定の法則」の実践者として豊かさに満たされている「今」だから理解できます。
そして、この記事に辿り着くということは、「今」、ご自身の「未来」をなんとか変えたいと切実に願っていることだと思います。
でも、そのこと自体が既に想定済みであり、あなた自身が「想定の法則」の実践者となって願望実現する未来が用意されています。
車は目の前にあり、目的地も決まっています。
ガソリン(想像力)を入れて運転するかどうかは、あなた次第です。
きれいな、正しく、思いやりのある、よい知らせになることだけを想定しましょう。
これは自分に対する想いを、最高で、気高く、幸せなものにするという意味です。今始めるのが一番です。よからぬ想いと決別し、よいものだけに集中する絶好の機会が「今」です。
引用:想定の『超』法則 その思いはすでに実現している|ネヴィル・ゴダード P184