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【心理学】限界効用逓減の法則とは?1杯目のビールが最高に美味い!?

2022年7月26日

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この記事の内容

  • 「限界効用逓減の法則」の定義と具体例
  • 「限界効用逓減の法則」について、日常生活で意識すべきこと

こんにちは。Dr. NAOKI(@urarikei_career)です。

突然ですが、想像してみてください。

夏の暑い日、ジムや温泉でひと汗かいて喉がカラカラの状態になっています。

そんな時に飲む1杯目のビールは、最高に美味しいはずです。
(未成年の方は、ポカリを想像しましょう)

2杯目は、1杯目と同じとまでは言えないかもしれませんが、それでも美味しいでしょう。

3杯目も、2杯目と同じとまでは言えないかもしれませんが、まあまあ美味しいでしょう。

4杯目は、うーん、あれ?(以下、無限ループ)

この辺りにくると、もはや1杯目の感動を味わうことは難しくなっていると思います。

いくらビールが好きでお酒に強い人でも、5杯目あたりになってくると、もはや惰性で飲んでしまっているのではないでしょうか?

このように、ビール1杯あたりの効用(満足度)は、飲む量が増えるにしたがって、低くなっていってしまいます

これを 限界効用逓減の法則 と言います。

限界効用逓減の法則とは

限界効用逓減の法則” は、心理学や経済学の分野でよく用いられる専門用語です。

“限界効用逓減” は、 “げんかいこうようていげん” と読みます。

英語で言うと… Law of Diminishing Marginal Utility

別名、“ゴッセンの第1法則” とも言いますが、“限界効用逓減の法則” という名称の方が、ビールの例を考えた時には理解しやすいですよね。

辞書的には、以下のように説明されています。

ある財の消費量の増加に伴って限界効用しだいに減少するという法則。効用逓減の法則。

出典:デジタル大辞泉|小学館

財1単位の増加から得られる効用すなわち限界効用は、その財の保有量(消費量)が増加するに伴って低下していくという法則。
たとえば2台目の自動車から得る限界効用は1台目の自動車から得るものより小さい。オーストリア学派によって確立された法則。
最初に注目した H. H.ゴッセンの名にちなんで「ゴッセンの第一法則」と呼ばれる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典|ブリタニカ・ジャパン

文章にするとやや堅苦しいですが、下の関連リンク先のグラフを見ても分かる通り、ビールの飲む量が増えるにしたがって、“満足度” がどんどんと失われてく様子が直感的に理解することができます。

“逓減” はあまり聞きなれない言葉で、減るのであれば “低減” で良いのでは?と思われるかもしれませんが、“逓減” と “低減” の意味には明確な違いがあります。

  • 逓減しだいに減っていくこと
  • 低減:減ること

このように、“逓減” には時間の概念があり、時間経過とともにしだいに減っていく様を表しています。

英訳の “Diminishing” (減少している)という単語が、それを物語っています。

なお、逓減の反対語の ”逓増” は、しだいに増えていくことを意味します。

喉が渇いた時のビール” がこの法則を説明する上では分かりやすい例ですが、1杯目のビールの美味しさがわからない場合は、“空腹時のおにぎり” で考えると分かりやすいです。

また、食欲に関してだけではなく、ビジネスや恋愛においても、この法則は当てはまると言えます。

交際し始めの時はお互いの気持ちが高揚して、高い効用が得られていますが、次第にその気持ちは薄れていく…という感じです。

日常生活で意識すべきこと

ここで、ビールの例に戻って、ちょっと考えてみてください。

最高に美味しかった1杯目も、惰性で飲んでる5杯目も、満足度が違うのに同じ値段です。

ビールを提供するお店側からしてみたら、商品として同じものを提供しているので、同じ金額で売るのは当然でしょう。

しかし、ビールを注文する消費者側からしてみたら、1杯目のビールと5杯目のビールでは得られる満足度が低くなっているのにもかかわらず、同じ金額を支払わなくてはなりません。

でも私の満足度って、アルコールの摂取量に比例するんですよね。

「“1杯目の美味しさ” から得られる満足度」の話してるの分かってる!?

以上のように、ある種の繰り返し行われる支出活動において、それから継続的に得られる満足度が、果たして金額に見合っているかどうかというのは、常に意識しておかなければならないことです。

タワマンに引っ越した満足度、新築住宅に住む満足度・・・果たして何か月続くのでしょうか?

無駄な消費・浪費にならないよう心掛けながら、経済活動を営んでいきましょう。

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Dr. NAOKI@投資家

【キャリアの裏道を行くサラリーマン】
製薬企業の研究職。裏の顔は投資家。
モットーは「自分軸で豊かに生きる」こと。

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