「サラリーマンこそ副業すべき理由」は何でしょうか?
結論から言うと、サラリーマンだけやっていても、豊かな人生を送ることが難しいからです。
“豊かさ” の定義は人それぞれですが、しっかりとした経済的基盤の上で語られることが多いことは事実です。
例えば、したくもない仕事をするというのは、“豊かさ” とは対極的だと思います。
しかし、そうせざるを得ないのは、やはり経済的理由が一番大きいではないでしょうか。
つまり、給料を得て生活するためです。
では、給料の本質とは何なのかというと…
”資本論” で有名なマルクス先生によると、給料とは「労働力を再生産するためのコスト」にほかなりません。
残酷な言い方をすると、会社(経営者)が支払う給料は、従業員を飼いならすための必要経費ということです。
知りたくなかった現実・・・
豊かな人生にするためには、経済的基盤を築き、身体的・時間的な自由をより多く獲得することが大切です。
この記事では、サラリーマンは安定神話が崩れつつあることや、サラリーマンの副業の必要性について解説していきます。
サラリーマンは安定?
果たしてサラリーマンは安定と言えるのでしょうか?
サラリーマンとは
サラリーマンとは、会社や組織などの雇用主から、サラリー(俸給)を得て生活している者のことを指します。
サラリーマン(Salaryman)は和製英語で、正式な英語で言うと、“office worker” や “white color worker” になります。
資本主義国家、とりわけ日本においては、サラリーマンは最もスタンダードな雇用形態です。
優秀なサラリーマンを育てる日本の教育
家庭教育や学校教育において、子育てや学習指導で熱が注がれているのは・・・
将来は “いかに優秀なサラリーマンになれるか” ということです。
すなわち、“安定” という名のサラリーマン神話のもと、「偏差値の高い大学を卒業して、有名な大手企業に入社し、そこで出世コースを辿って定年まで勤めあげる」ことを目指し、周囲と競い合っているわけです。
しかし、日本の社会構造は ヒエラルキー(ピラミッド型の階級組織構造)となっているため、限られた者だけしか、上位層に属することができません。
つまり、大多数が目指しているのに、狭き門であるという無理ゲーを強いられ、そこで人生の優劣が決まるかの如く教育されています。
たとえどこかの段階で上位層に行けなかったとしても、幼少期からの教育(家庭・学校・メディア)によって、特に “良い教育” を受けた人ほど、ヒエラルキーのより上位層に憧れを抱き、目指し続けてしまいます。
ただしこれは、サラリーマンの安定神話、すなわち “終身雇用制度が保障されていること” が前提です。
しかし、現代、そしてこれからの社会において、サラリーマンは本当に安定と言えるのでしょうか?
終身雇用制度の崩壊と年金問題
終身雇用制度は崩壊しつつある
“終身雇用” とは、企業が倒産などしない限り、正規雇用している従業員を解雇せずに定年まで雇用する制度のことです。
この終身雇用を巡っては、2019年にトヨタ自動車の豊田社長が「終身雇用を守るのは難しい」と発言したことが大きな話題となりました。
また、経団連の故・中西会長も、終身雇用制度の限界・見直しについて言及されています。
老後資産問題
雇用の問題だけに留まりません。
定年後(老後)、我々の生活に安定は見込まれるのでしょうか?
2019年、金融庁が報告書の中で “老後資産が2,000万円不足する” との試算を示し、メディアで大きく取り上げられました。
政府が火消しに躍起になったものの、市民の不安は広がり、公的年金制度の限界が懸念されています。
この報告書では、個人の資産形成を促す目的で言及されたものですが、老後資産問題はさておき、実際に2022年度から、高校の家庭科の授業で “資産形成” の視点に触れるよう、新学習指導要領にて規定されました。
すなわち、高校生が投資について学校で学び始めます。
個人で稼ぐ力を身につけよう
終身雇用が難しい上に老後資産も足りず、国が資産形成を奨励…。
さらには、会社が倒産する可能性、会社からリストラの対象とされる可能性、病気や介護などによってサラリーマンとして働き続けるのが困難になる可能性もあります。
目まぐるしく変化する社会状況の中、これらのことが “明日は我が身” と現実的に感じている方も多いのではないでしょうか。
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の蔓延により、“働き方” に対する意識も大きく変わってきています。
すなわちこれは、会社や年金に頼らず、“個人で稼ぐ力を身につけなくてはならない” ということを示唆しています。
“収入を得る” ということに関して、1つの収入源に依存している状況を見つめ直し、他者への依存度を小さくして自分で稼ぐことができれば、資本主義経済を攻略するための大きな助けとなってくれるはずです。
したがって・・・
サラリーマンこそ、副業をしましょう!
特に、“給与収入が無くなったら生活できない(貯金を取り崩していかないといけない)” という人は、今すぐにでも始めるべきです。
サラリーマンは副業してもいいのか?
サラリーマンの副業について、重要な情報を2つ紹介します。
約6割の企業が副業禁止
2021年6月10日、ITmedia ビジネスオンラインの『管理部門「副業している」は13.9%、副業を認めていない企業が半数以上』という見出しの記事に、以下のような文章がありました。
ビジネスメディア「Manegy(マネジー)」を運営するMS-Japan(東京都千代田区)が、管理部門の副業実態について調査した結果、副業を認めていない企業が59%にのぼることが分かった。
(出典:ITmedia ビジネスオンライン)
これは1つの調査結果に過ぎませんが、大半の企業が副業を禁止しているというのは、感覚的には間違ってないと思います。
しかし、果たして “副業を認めない” とする企業側に、本当にそのような権限があるのでしょうか?
国が副業を推奨している
ほとんどの企業は、“就業規則” にて、副業を禁止することを定めているのではないでしょうか。
そこで、国すなわち厚生労働省の “モデル就業規則” では、副業がどのように位置づけられているか、見てみましょう。
参考(外部リンク)
- モデル就業規則について|厚生労働省
モデル就業規則(令和3年4月版)では、第14章にて、副業・兼業について規定されています。
“第68条第1項” を読んでみると…
第68条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
(出典:厚労省『モデル就業規則(令和3年4月版)』)
そうです、できるんです。
つまり、従業員に副業を認めることを就業規則で定めることは、国のお墨付きなのです。
ただし、同じく第68条第2項では、副業の “禁止又は制限” について言及されています。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合
(出典:厚労省『モデル就業規則(令和3年4月版)』)
つまり、自社に不利益をもたらすような副業の仕方はダメということです。
これは当然のことですよね。
このように、国が副業を推奨しているわけですが、企業単位に目を向けた際には、まだ副業禁止が大半を占めています。
しかし、「会社の就業規則を遵守することよりも大切なものはないか」個人レベルでよく考える必要があります。
会社に不利益をもたらさない限り、副業がバレて問題視されたとしても、それを理由に一方的に解雇されるような社会状況ではなくなってきています。
どうしても副業を認めないような企業体質の場合、会社にバレずに副業するか、バレても論破するか、バレたら辞めると覚悟するか、あらかじめバレた時の対策を考えておくことも必要です。
国が推奨している副業、『サラリーマンがしてもいいのか?』の答えは『Yes』だと考えている人も多く、実際にフリーランス人口も(特に海外で)増え続けています。
サラリーマンの安定神話が崩壊しつつある状況になりつつある今こそ、会社に雇われずに稼ぐ力を身につけましょう。
まとめ
サラリーマンが副業をすべき理由について、“世の中の流れ” 的な視点からまとめてみましたが、お分かりいただけましたでしょうか。
最後に少し余談ですが、社会構造のヒエラルキーにおいて、より上層部に行くために学歴や出世を競い合い、働いても働いても一向に裕福にならないことを “ラットレース” と表現されることがあります。
社会によって作られたレールの上を走り続けるために人生の膨大な時間・精神・体力・エネルギーを費やし、ほんの少しの給料の違いを競い合って、優越感や劣等感にさいなまれている滑稽さを揶揄する表現です。
まるで回し車に置かれたラットが一生懸命走り続けているのに、実際は全く進んでいないという様そのものということです。
“職種別年収ランキング” や “給与の高い企業ランキング” に惹きつけられる人は、既にこの “ラットレース” に無我夢中になって、進まない回し車をひたすら走り続けるように心が支配されてしまっていませんでしょうか?
この世界には、あなたが汗水たらして必死に働いているにもかかわらず、毎月の家計が自転車操業状態となって “ラットレース” している様を傍観している者がいることに気づかなくてはなりません。
会社への依存を打破し、“ラットレース” から外れた世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?