固定資産税って現金以外で支払うことはできるんでしょうか?
キャッシュレス決済で支払うことができますし、現金払いよりも実質的な負担を軽減できる場合があります。
この記事の内容
固定資産税の支払いの際に押さえておきたいポイントとして、以下の3点について解説します。
- クレジットカード払い
- スマホ決済アプリを利用した支払い
- ポイントサイト経由
こんにちは。Dr. NAOKI(@urarikei_career)です。
毎年4~6月頃になると固定資産税の納税通知書が届き、頭を悩ませる方も多いはず・・・
固定資産税とは
固定資産税は、毎年1月1日時点(賦課期日)で、固定資産(土地・建物・償却資産)を所有している人に課せられる税金です。
税額は固定資産評価額に基づいて計算され、固定資産の所在する自治体に納付します。
不動産購入の際の注意点
固定資産税は1月1日時点での所有者に課せられますが、年の途中でオーナーチェンジ等で中古物件を購入した場合は、買主側が引渡し日(当日含む)から12月31日までの分を固定資産税清算金として負担するのが一般的です。
特に収益物件を複数持つ不動産オーナーにとっては、固定資産税だけで数百万円になることも普通です。
したがって、固定資産税の支払計画・支払方法をうまくコントロールすることが、賃貸経営においてとても大切です。
本記事では、固定資産税の支払いの際に押さえておくべき3つのポイントについて、詳しく解説します。
1. クレジットカードで支払う
固定資産税は地方税のため、納付先は固定資産が所在する自治体です。
近年、固定資産税をクレジットカードで納付できる自治体が増えてきています。
納付書に地方税統一QRコード(eL-QR)が印字されている場合、地方税お支払サイトからクレジットカード納付できます。
※自治体によっては、eL-QRが印刷されていない納付書によるクレジットカード納付を終了しています(各自治体のHP等で支払方法を確認してください)。
地方税お支払サイトの利用
- 利用可能額
1度の手続きにつき、1,000万円未満かつクレジットカードの決済可能額以下(決済手数料含む) - 利用可能なクレジットカード
Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club
クレジットカード払いのメリット
メリット
- ポイントが貯まる(※)
クレジットカードで固定資産税を支払うと、決済金額に応じてポイント還元を受けられます。
これがクレジットカード払いの最大のメリットではないでしょうか。
カードによっては還元率が高く、大きな節約につながります。
例えば、固定資産税10万円を還元率1%のクレジットカードで支払うと、1,000円分のポイントが貯まります。 - いつでも・どこでも納付できる
パソコン、スマートフォンまたはタブレットから専用サイトにアクセスすることで、24時間どこからでもオンライン決済が可能です。
現金を持ち運ぶことによる盗難・紛失リスクもなくなります。 - 分割払い・リボ払いが可能
固定資産税は4期分(年4回)に分けて納付することも可能ですが、クレジットカードで支払うことにより、さらに分割して支払うことが可能になります。
ただし、「分割払い」や「リボ払い」を選択すると、別途手数料が発生する場合があるため、事前にカード会社のHP等で確認しておきましょう。 - 手元に現金がなくても納付可能
クレジットカードの決済日から口座引落日までは1~2ヶ月の猶予があるため、手元に現金がなくても納付期限までに支払うことが可能です。
(※)ポイント還元について
事業に係る税金の支払いによってポイント還元を受けた場合、現金や電子マネーに交換すると収入と見なされます。
ポイントそのものは非課税のため、ポイントサイトでポイントを貯め続けても、確定申告の対象になりません。
また、事業関連経費にポイントを使う場合は、ポイントで割引された後の金額を損金算入させる必要があります。
参考(外部リンク)
クレジットカード払いの注意点
注意点
- 対応していない自治体がある
クレジットカード納付に対応している自治体が増えてきているものの、未対応の自治体もあります。
事前に固定資産の所在する自治体に確認しておきましょう。 - 支払い毎に手続きが必要(納付忘れに注意)
公共料金(電気や上下水道)とは異なり、固定資産税をクレジットカードで納付する場合は、その都度手続きが必要です。
口座振替による支払方法を選択している場合は、一度口座登録をしておくと自動で引き落とされるので、口座残高にさえ注意しておけば納付忘れのリスクを下げることができます。
※ただし、口座振替を利用している場合は納付書が送付されてこないため、クレジットカードで納付することができません。 - 領収書や納税証明書は発行されない
クレジットカード納付の場合、領収書は発行されないため、カードの利用明細書で代替しましょう。
納税証明書が必要な場合は、クレジットカード決済後から申請可能ですが、手元に届くまでに2週間以上かかることもあるようです。
領収書や納税証明書がすぐに必要な場合は、コンビニや金融機関の窓口で納付しましょう。
また、二重払いとならないよう注意しましょう(払いすぎた税金は申請することで返ってきます)。 - 手数料がかかる
例えば、地方税お支払サイトを利用する場合、下表の「F-REGI公金支払い」サイトのシステム利用料が別途かかります(システム利用料の試算はこちら)。
多くのクレジットカードは1%前後の還元率のため、税額の1%前後の手数料がかかるようであれば、還元率と決済手数料を比較してお得になるかどうか確認しておきましょう。
納付税額 | 決済手数料(税込) |
---|---|
1円 ~ 10,000円 | 40円 |
10,001円 ~ 20,000円 | 123円 |
20,001円 ~ 30,000円 | 205円 |
30,001円 ~ 40,000円 | 288円 |
40,001円 ~ 50,000円 | 370円 |
おすすめのクレジットカード
税金
- リクルートカード
リクルートポイントへの還元率は1.2%と高めで(10万円の固定資産税の納付で1,200ポイント)、決済手数料を差し引いてもお得になります。
リクルートポイントはPontaポイントやdポイントに交換したり、Amazonでの買い物や生活の様々なサービスで利用できます。 - 三井住友カード(NL)
Vポイントへの還元率は0.5%と一般的な数値ですが、納付時の手数料を考慮すると、税額によっては少しお得になります。
年間100万円以上利用するとゴールドカードに年会費永年無料(通常5,500円(税込))でアップグレードすることができます。
ゴールドカード切替後も年間100万円以上利用(ETCカードや家族カードも合算)すると、継続特典としてVポイントが10,000ポイント還元されるという点がおすすめです。 - 楽天カード
楽天カードで税金を支払った場合の楽天ポイントへの還元率は0.2%で、ショッピング利用時の還元率(1%)よりもくなります。
クレジットカード納付の手数料を考慮すると、楽天カード単独での支払いはおすすめできませんが、後述の楽天ペイ払いとの組み合わせも参考にしてください。
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2. スマホ決済アプリを利用する
一部の自治体では、固定資産税をスマホ決済アプリ(PayPayや楽天ペイなど)の請求書払いで支払うことが可能です。
2025年1月現在、eL-QRでの支払いに対応しているスマホ決済アプリは26種類あります(下図)。
スマホ決済のメリット
メリット
- ポイントが貯まる場合がある(※)
2025年1月現在、ポイント還元のあるスマホ決済アプリはありませんが、期間限定のキャンペーン等を利用することで、ポイントやキャッシュバックを受けられることがあります。
支払いの時期が近づいてきたら、各アプリのHP等で詳細を確認してください。 - いつでも・どこでも納付できる
クレジットカード納付と同様に、パソコン、スマートフォンまたはタブレットから、24時間どこからでもオンライン決済が可能です。 - 手数料がかからない
クレジットカード納付と異なり、支払い時の手数料が発生しません。 - 手元に現金がなくても納付可能
スマホ決済アプリに十分な残高があれば、手元に現金がなくても納付期限までに支払うことが可能です。
また、クレジットカードからチャージする場合は、クレジットカードの口座引落日までに時間的猶予があります。
スマホ決済の注意点
注意点
- 対応していない自治体がある
スマホ決済アプリに対応していない自治体では利用できません。
納付書にeL-QRが印刷されているかどうか確認しましょう。 - 事前の利用登録・チャージが必要
スマホ決済アプリの利用登録を行い、口座またはクレジットカードと紐づけてキャッシュをチャージする必要があります。 - 納付金額に上限がある
1枚の納付書につき、納付可能金額は30万円までとなっています。
また、アプリによっては月ごとに請求書払いの利用上限額が定められています(楽天ペイの場合、50万円)。 - 支払い毎に手続きが必要(納付忘れに注意)
1枚の納付書に印刷されているeL-QRを1つずつ読み取って支払いをする必要があります。 - 領収書や納税証明書は発行されない
クレジットカード納付と同様に、領収書は発行されません。
また、クレジットカードのように利用明細書もないため、スマホ決済アプリの支払履歴等を確認する必要があります。
記録として、決済画面をスクショで保存したり印刷しておくと、納付忘れや二重払いのリスクを下げられます。 - 決済後のキャンセルや返金は不可
スマホ決済アプリで請求書払いした後は、キャンセルや返金はできません。
払いすぎた税金については返還請求できますので、各自治体に問い合わせましょう。
おすすめのスマホ決済アプリ
おすすめのスマホ決済アプリ
- 楽天ペイ
楽天ペイでの請求書払いにポイント還元はありません。
ただ、楽天ペイには、毎月1日、11日、21日および31日が「チャージの日」として、楽天カードから楽天キャッシュにチャージした金額の全額分を楽天ポイントで受け取れるチャンスがあります(毎月要エントリー:上限20,000ポイント)。
全額還元の抽選は1日につき50名とされているため確率は低いですが、20,000ポイントあたることを夢見て、チャージの日に20,000円ずつチャージしていくのもいいのではないでしょうか。
以前は、楽天カードから楽天キャッシュにチャージするだけで、クレジットカード払いによるポイント還元(0.5%)を受けられました。
ところが2024年6月4日以降、ポイント還元は、楽天カードからチャージした楽天キャッシュで支払いを行った場合にルール変更され、しかも「請求書払い」がポイント還元の対象外となりました。
つまり、固定資産税等の請求書払いに楽天ペイを使用しても一切ポイントがつかないため、「ポイント還元」という点においてメリットはなくなりました。
ただし、楽天カードでチャージした楽天キャッシュを用いて、対象店舗でコード・QR払いを行うと、最大1.5%のポイント還元があるという利点があることは覚えておくといいでしょう。
参照:楽天キャッシュの楽天ポイント進呈ルール変更に関するご案内|「楽天キャッシュ」公式サイト
\楽天カードのお申込みはこちら/
また、楽天キャッシュのチャージをお得にするための「高還元ルート」なるものも存在していて、以下のサイトで詳しく説明されているので気になる方は参考にしてみてください。
参考(外部リンク)
3. ポイントサイトを経由して支払う
モッピーやハピタスなどのポイントサイトを利用すれば、クレジットカード払いで得られるポイントに加えて、ポイントサイトの特典も受けられます。
例えば、クレジットカードを新規発行する場合は、数千~数万ポイントが還元されることがあります。
特にキャンペーン中は、クレジットカード新規発行の特典のポイントに加え、ポイントサイトでのポイントも付くという、ダブル特典を受けられる可能性もあります。
さらに、発行するクレジットカードに紐づける銀行口座も新規で開設すると、トリプル特典となるケースもあります。
トリプル特典の例
モッピーで楽天銀行口座の開設と楽天カードの発行を行う
⇒ モッピーポイント+楽天ポイント(口座開設+カード発行)
ポイントサイトでのポイント獲得は、主に新規入会キャンペーンによるものですので、1種類のクレジットカードにつきポイント獲得は一度きりですが、うまく利用することでちょっとしたお小遣い稼ぎになります。
\モッピーの登録はこちら/
\ハピタスの登録はこちら/
まとめ
固定資産税の支払いあたって知っておきたい3つのポイントを紹介しました。
下の表にまとめます。
方法 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
クレジットカード | ・ポイント還元率が高い ・24時間納付可能 ・分割払いやリボ払いが可能 ・口座引落までに猶予がある | ・未対応の自治体がある ・支払い毎に手続きが必要 ・領収書が発行されない ・手数料がかかる |
スマホ決済アプリ | ・キャンペーン等でお得になる場合がある ・24時間納付可能 ・手数料がかからない | ・未対応の自治体がある ・アプリ登録とチャージが必要 ・1枚の納付書につき30万円まで ・納付書毎に手続きが必要 ・領収書が発行されない |
ポイントサイト経由 | ・クレジットカード新規発行によるポイント獲得 | ・ポイント獲得は一度きり |
固定資産税は、クレジットカードまたはスマホ決済アプリ(あるいはその両方)を活用することで、ポイント還元やキャンペーン特典を受けながらお得に支払うことが可能です。
私のように楽天経済圏をメインに使用したい場合は、以下の方法で固定資産税を納付するのが良いのではないでしょうか。
- ポイントサイトで「楽天銀行口座の開設」と「楽天カードの発行」を行う
⇒「新規カード発行ポイント+新規口座開設ポイント+ポイントサイトでのポイント」のトリプル特典 - 楽天カードの引落口座を楽天銀行にする
⇒ 楽天で様々な特典を受けられる(一例) - 楽天カードと楽天ペイを紐づける
- 楽天ペイのチャージの日に、楽天カードから2万円ずつチャージする
⇒ 楽天カードの支払いに伴うポイント還元(0.5%:毎月300~400ポイント還元)※2024年6月4日以降ルール変更
⇒ チャージ金額の全額(上限20,000ポイント)の還元チャンス
※6~8万円/月しかチャージできないため帳尻合わせが必要 - 楽天ペイで固定資産税を支払う(4期に分けて無理なく)
楽天キャッシュへのチャージの際には、前述の高還元ルートを活用するというのも良いと思います。
自分に合った方法を選んで、家計や賃貸経営の負担を軽減しましょう。